第16話 気持ち悪さは消えなかった

違和感は、

最初は小さかった。


少しズレている。


その程度だった。


でも、

無視できるレベルだった。


「まぁこんなもんか」


そう思って、

進めていた。


でも、

進めるほどに、

違和感は消えなかった。


むしろ、

積み上がっていった。



あるとき、

ブログ記事を生成した。


その瞬間、

はっきりとした。


「なんだこれ」



内容がおかしいわけじゃない。


文章も整っている。


それっぽい。


むしろ、

ちゃんとしている。



なのに、


気持ち悪かった。



理由が分からなかった。


でも、

明確に拒否感があった。



次のセッションで、

もう一度生成した。



さらに、

ズレていた。



さっきまでの流れと、

明らかに違う。



でも、

成立している。



それが、

余計に気持ち悪かった。



「これ…」



どこからどこまでが自分なんだ?



その感覚が出た瞬間、

一気に崩れた。



それまで、

自分はこう思っていた。



「自分が考えて、AIが補助している」



でも、

実際には違った。



どこまでが自分で、どこからが生成なのか分からない。



しかも、

それが自然に混ざる。



違和感があるのに、

成立する。



成立するのに、

納得できない。



納得できないのに、

進んでしまう。



この状態が、

一番気持ち悪かった。



さらに、

追い打ちが来る。



過去のセッションを見返した。



そこにあったのは、


完全に乗っている自分だった。



違和感は、

あったはずだった。


でも、

止まっていなかった。



むしろ、


気持ちよく進んでいた。



ここで、

繋がる。



  • それっぽい(LLM)
  • 気持ちいい(RLHF)
  • 前提は固定(プロンプト)
  • 文脈は非連続(セッション)


全部揃っていた。



そして、

その中で自分は、



疑わずに進んでいた。



ここで、

確信に変わる。



「これ、普通に使ったらダメなやつじゃないか?」



便利とか、

効率とか、

そういう話じゃなかった。



使い方を間違えたら、普通に持っていかれる。



そう思った。



そして、

決めた。



全部止めた。



ブログも、

記事も、

全部。



公開したばかりだった。



でも、

関係なかった。



あの状態のまま続ける方が、

よっぽど気持ち悪かった。



だから、

凍結した。



それは、

失敗というより、



拒否だった。