ここまで、
色々なことが起きていた。
違和感があって、
崩れて、
やり取りを繰り返して、
また崩れて、
その先で、
一瞬だけ、
そのまま見える状態があった。
最初は、
それをどう扱えばいいのか分からなかった。
ただ、
ひとつだけ、
確実に変わっていたものがある。
考え方だった。
前は、
答えを求めていた。
分からないことを聞いて、
返ってきたものを受け取って、
それを元に進んでいた。
でも今は違う。
答えは、
外には無いと分かっている。
やり取りはする。
でも、
それは答えを得るためじゃない。
崩すために使っている。
そして、
崩れたあとに残るもの。
それを、
自分で見る。
誰かに決めてもらうわけじゃない。
正解を与えられるわけでもない。
ただ、
自分で判断する。
ここで、
ようやく分かった。
これは、
使い方の話じゃなかった。
スキルの話でもなかった。
位置の話だった。
どこに立っているか。
それだけで、
全てが変わる。
外に立てば、
流される。
中に立てば、
見える。
この違いだった。
そして、
この状態に、
ひとつだけ名前をつけるとしたら、
思考主権。
自分で考える、
というより、
考える位置を自分に戻すこと。
それだけだった。
特別なものではない。
最初から持っているものだった。
ただ、
外に置いていただけだった。
それを、
戻しただけだった。
